QALife - tettan's diary -

QA/ソフトウェアテストについて、あとは雑多な記録を。

JaSST '17参加レポート

早一週間たちますが、記録のために参加レポートを残しておきます。

聴講したセッションは以下。

  • 基調講演:ICT応用S&S製品の品質不良のリスクとSQuaREシリーズ国際標準 - その歴史と概要
  • 教科書に載らないテストマネジメント
  • テストと人工知能
  • 品質保証活動の本質

以下のセッションはパネルのモデレータを担当しました。

  • 普及が始まったテストプロセス改善技術 導入・実践着手のために考えるべきこと

準備は大変でしたが、モデレータは楽しかったです。

では、聴講したセッションのレポートです。

  • 基調講演:ICT応用S&S製品の品質不良のリスクとSQuaREシリーズ国際標準 - その歴史と概要

タイトルの通り、確かに歴史の話をされてました。
品質特性の話が出てくると、
各品質特性に対してどのように評価に落とし込んでいくのかという
ところがやはり一番気になるところ。
GQMでメトリクス決めて評価すればいいでしょ、という話かもしれませんが
スティングではなくて開発の初期の段階で
ある程度、練っておくほうが現実的にはスケールしそうです。
ただ、この種の評価をやるかどいうかは、
やっぱり製品やシステム、サービスで異なるでしょう。
QAリードあたりが、旗を振って推進しないと
現場レベルは回らないと思います。

  • 教科書に載らないテストマネジメント

司会者のお題にパネリストが応えていくという形式。
テストというよりは、マネジメントの話が多かったように思います。
テストのマネジメントとしては、テストの質とテスト対象の質を
どのようにマネジメントするのかを言う話を聞きたかったです。

今回のJaSSTで聴講した唯一のコアなテスト技術のセッションでした。
講演者の増田さんと伊藤さんからは次のテーマの話がありました。
増田さん
・AIを利用したシステムのテスト
・テスティングにAIを利用する
伊藤さん
GUIの自動テストにAIを利用する

すべてのテーマが面白かったのですが、
AIを利用したシステムをどのようにテストするのかというのは、
すごく興味のある領域です。
テスト設計をどのような単位(コンポーネント)でやるのかは、
テストアーキテクトの腕の見せ所でしょう。
もちろん全体をどのようにテストするのかという難しい問題もありますが。

  • 品質保証活動の本質

いつもかわいがってもらっている奈良さんの講演。
日立製作所の旧ソフトウェア事業部の品質保証の仕組みの話で、
奈良さんのキャラクタも重なって、
引き込まれるように聴き入ってしまいました。
本講演の私の解釈は、次の一文です。
「品質保証の仕組みをその時代のニーズや組織の制約に合わせて最適化してきた」
品質保証という深遠なテーマで地に足のついた議論が聴けて大満足です。
ただ、あえて追加で話が聴きたかったことがあるとしたら
品質保証活のネガディブなイメージをどのように払しょくするかという点です。
というか、上記の要望を会場でコメントしてしまいました。奈良さん、ごめんなさい。

一週間たった今、振返ってみて、非常に充実した2日間でした。